フィンテック企業等に対するイノベーション支援事業補助金の募集開始について
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東京都は、革新的なテクノロジーやアイデアで新しいサービスを創造し、金融分野のイノベーション創出を目指すフィンテック・スタートアップの支援に取り組んでいます。
近年、IT技術を活用した金融サービスを提供し、生活をより便利で豊かなものとする有望なフィンテック・スタートアップが次々と生まれています。
都では、フィンテック分野におけるオープンイノベーションを一層加速させるため、担い手となるフィンテック企業等と金融事業者等との交流やサービスの実装に向けた取組に要する経費を支援する補助事業を実施しています。
1.本事業のスキーム図
2.各支援策の概要
(1)金融オープンイノベーション支援補助金
補助対象者
フィンテック企業等と金融事業者等が参加する金融分野のオープンイノベーションの創出に資するイベントやプログラムを実施する事業者
補助対象経費
フィンテック企業等と金融事業者等の協業を促進し、金融分野のオープンイノベーションの創出につなげるイベントやプログラム(ピッチイベント、アクセラレータプログラム、マッチングイベント等)の開催経費
補助率
2分の1(1件あたり上限100万円※)
※複数のイベントやプログラムを複合的に提供する場合には、上限200万円とします。
(2)金融サービス事業化支援補助金
補助対象者
以下のア、イのいずれかに該当し、金融分野のイノベーションの創出に向けた実証的取組(開発した金融サービスの実用性の検証等)を行う都内企業
ア:設立10年未満のフィンテック企業等
イ:海外のフィンテック企業等と実証的取組を行う金融事業者等
補助対象経費
金融分野におけるイノベーションの創出に向けた実証的取組に要する経費
補助率
ア:3分の2(1件あたり上限300万円※)
※令和4年度又は令和5年度の補助金交付を受けた者が本事業に応募し採択された場合、2分の1(上限200万円)とします。
イ:2分の1(1件あたり上限300万円)
3.募集期間
令和6年4月30日(火)から令和7年1月31日(金)まで
- 申請は随時受け付けます。ただし、本事業に係る東京都の予算限度額に達した場合、受付を締め切ります。補助金の採択は、概ね1~2か月ごとに開催する審査会で行う予定です。
4.申請方法
申請書類及び関係書類( 「5.各事業の詳細および申請書類」ご参照)をJグランツ※による電子申請または以下の宛先に郵送若しくは持込
(Jグランツ)
(郵送・持込先)
〒163-8001
東京都新宿区西新宿二丁目8番1号 東京都庁第一本庁舎14階北側
東京都スタートアップ・国際金融都市戦略室戦略推進部戦略事業推進課国際金融都市担当 宛
5.各事業の詳細および申請書類
補助対象者及び補助対象経費の条件や申請書類等の詳細は、交付要綱、募集要領、各種申請書類を御確認ください。
(1)金融オープンイノベーション支援補助金
(2)金融サービス事業化支援補助金
6.採択実績
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Axios Financial Technologies(アクシオスフィナンシャルテクノロジーズ)
■企業概要
会社の企業価値向上を支援するサービスの開発、提供を目指すスタートアップ
■実装を目指すサービス
100個超の財務指標等から、企業価値の形成に寄与する要因やメカニズムをAIで分析するアプリを開発し、利用会社に対し、企業価値向上策を提案するサービスを提供することで、本邦企業の企業価値向上や日本経済の活性化に貢献
■実証的な取組の概要と成果
- 開発したアプリを協業先の金融事業者等に利用してもらい、ニーズ及びユーザビリティの検証を実施
- 協力事業者からのフィードバックを踏まえて、海外上場企業を分析対象に追加、分析機能の追加等を実施
- 検証結果を踏まえて、2024年4月にアプリをリリース済み
(サービスイメージ)
Trust(トラスト)
■企業概要
金融IT・データ活用のノウハウ等により金融機関のDX推進を支援するスタートアップ
■実装を目指すサービス
契約書等の非定型データについて最新AI技術を活用して定型化するサービス提供し、金融事務のさらなる効率化に貢献
■実証的な取組の概要と成果
- 非構造契約書データからの図表分離/テキストの構造化や、情報抽出の精度について検証を実施
- その結果、図がある非構造契約書での正答率は93.3%であり自動化可能な精度であることを確認
- 検証結果を踏まえて、さらなる検証を行い、サービスを完成させる
(サービスイメージ)
Frich(フリッチ)
■企業概要
団体や会員組織向けに団体保険や共済のプラットフォームを提供するスタートアップ
■実装を目指すサービス
中堅中小企業「マイクロSME」向けのオンライン完結型の保険販売システムの構築に加えて、当社オリジナルの共済商品の提供によって、保険会社が従来の保険ではカバーできないマイクロSMEにアプローチできる環境を構築
■実証的な取組の概要と成果
- オリジナル共済商品及びオンライン募集システムを開発
- 開発したオンライン募集システムを協業先の保険会社等に利用してもらい、ニーズの検証を実施
- その結果、全ての保険会社がマイクロSMEに興味関心があると回答
- 検証結果を踏まえて損害保険会社等と協議を行い、募集を開始する
(サービスイメージ)
MEME(ミーム)
■企業概要
家庭・教育分野のお金管理・決済アプリの開発、提供を行うスタートアップ
■実装を目指すサービス
学校・家庭の集金・支払を効率化する決済アプリ「スクペイ」を開発し、教職員・保護者の負担軽減に貢献
■実証的な取組の概要と成果
- 学校で「スクペイ」のβ版を試験的に導入してもらい、教職員の事務削減効果やユーザビリティ等の検証を実施
- その結果、「スクペイ」の利用によって、集金に係る作業時間が63%削減
- 検証結果を踏まえて、サービスをリリース済(2024年4月)
- 今後、更なるサービスの機能拡充を行う
(サービスイメージ)
MONO Investment(モノインベストメント)
■企業概要
IFA(独立系フィナンシャルアドバイザー)や証券会社向けの資産運用コンサルティングサポートツール「WealthForce」や、個人投資家向けに金融情報メディア等の資産運用サポートサービス「投資のコンシェルジュ」を提供するスタートアップ
■実装を目指すサービス
個人投資家をターゲットとして、最新のAI技術を活用しつつ、資産運用に関する質問に対して適切に回答できるAIチャットボットの開発によって金融リテラシーの向上に貢献
■実証的な取組の概要と成果
- ファインチューニングしたGPTを基に開発したシナリオ型のチャットボット機能に質問をし、正答率等の検証を実施
- その結果、一般的なGPTを用いるよりも専門性の高い回答を正確に生成可能なことが確認(正答率83%)
- 検証結果を踏まえて質問回答の処理数の増大等を行い、サービスを完成させる
- 2024年中のサービスリリースを目指す
(サービスイメージ)
- 五十音順
- 補助対象事業により実装するサービス等の利用はご自身の判断でお願いします。
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アドバイザーナビ
■企業概要
投資家と金融アドバイザー(IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)等)とのマッチングプラットフォームサービス「わたしのIFA」等を提供するスタートアップ
■実装を目指すサービス
性格分析アルゴリズム等を用いて、個人投資家に最適な金融アドバイザーとのマッチングを推奨することで、投資家の満足度の高い資産運用をサポート
■実証的な取組の概要と成果
- 投資家と金融アドバイザーであるIFAの性格診断機能を開発し、マッチングを実施
- その結果、約80%以上の投資家がIFAを友人・知人に薦めたいと回答するなど、高い満足度を確認
- 令和5年5月に、開発した新機能を搭載したサービスを提供開始
- 今後、更なるサービス改善を継続
(サービスイメージ)
EduCare(エデュケア)
■企業概要
経済的理由によらずに、全ての人が質の高い教育を受けて、充実したキャリアを実現するための支援を行い、「教育格差⇆経済格差」の負のループを断ち切る、教育ファイナンスの提供を目指すスタートアップ
■実装を目指すサービス
看護業界をはじめとした高度専門職を目指す学生等を対象に、ISA(Income Share Agreement)※、Study Now, Pay Laterといった「出世払い型」の奨学金の提供を目指し、経済的理由によらずに全ての人が質の高い教育を受けられる環境整備に貢献
- 学費を免除し、就職後一定以上の収入となった際に、所定割合を返済する契約
■実証的な取組の概要と成果
- 弁護士事務所を起用し、関係省庁にも適宜照会しながら、法定要件等が未だ曖昧であるISAの法的及び会計的な論点を検討
- 割賦販売法に基づいたスキーム構築と許認可手続きを進めており、まずは通常の割販商品のローンチから実施し、その後、関係省庁と対話を重ねながらISAの社会実装を目指す
ビー・インフォマティカ
■企業概要
代替信用スコアリングモデルの開発を行うスタートアップ
■実装を目指すサービス
心理統計学テストとAI技術に基づく、新たな信用スコアリングモデルを構築し、若者やスタートアップなど、過去の信用データや財務データがない人への融資を促進
■実証的な取組の概要と成果
- 新たな信用スコアリングモデルで算出した信用データと、金融機関が保有する実際の信用データとの相関を検証
- データ分析の結果、高い相関を確認され、過去の信用データ等がない人に対する新たな信用スコアリングモデルとしての有効性を確認
- 早期のサービス実装に向けて、モデルの更なる精緻化と検証を実施
(サービスイメージ)
MEME(ミーム)
■企業概要
家庭・教育分野のお金管理・決済アプリの開発、提供を行うスタートアップ
■実装を目指すサービス
学校・家庭の集金・支払いを効率化するアプリサービスを開発し、教職員・保護者の負担軽減に貢献
■実証的な取組の概要と成果
- 教職員の集金業務に使用する管理画面や、保護者が支払い時に使用する決済画面等を確認できるα版のアプリを開発
- 小中学校の教員やPTAに実際に操作してもらい、業務削減余地やニーズを検証
- 集金業務等の大幅な削減余地を確認するとともに、半数以上が本サービスを導入したいと回答
- 本検証結果を踏まえ、アプリのバージョンアップと更なる検証を実施
(サービスイメージ)
MONO Investment(モノインベストメント)
■企業概要
個人投資家向け金融情報メディア・資産管理サービス「投資のコンシェルジュ」及びアドバイザー向け資産運用提案サポートロボ「WealthForce」等を提供するスタートアップ
■実装を目指すサービス
個人投資家の投資状況(資産残高や投資履歴等)から、AI技術を用いて関心・ニーズを推定し、最適なコンテンツを提供するサービスを開発することで、個人投資家の情報収集の質と効率性向上に貢献
■実証的な取組の概要と成果
- 投資状況から関心・ニーズを推定できるかを検証するため、個人投資家の投資状況と、コンテンツの閲覧履歴から割り出した実際の関心・ニーズとの相関を検証
- 分析の結果、債券やインデックス投資など安全性の高い資産を保有する投資家は、リスク回避型の関心・ニーズを持つ傾向にあるなど、一定の相関を確認
- 今回の検証では有意な因果関係の確認までは至っていないものの、今後、早期のサービス実装に向けて、分析手法の更なる精緻化と検証を実施する予定
(サービスイメージ)
- 五十音順
- 補助対象事業により実装するサービス等の利用はご自身の判断でお願いします。