英国ロード・メイヤー一行と知事との金融ラウンドテーブル
2022年6月30日にシティ・オブ・ロンドンの第693代ロード・メイヤー、ヴィンセント・キーヴェニー氏をはじめとする英国関係者の方々が来庁し、知事や日本の金融界を代表する方々と「エネルギー危機下におけるサステナブル・ファイナンスの取組」をテーマに会合を行いました。
ロード・メイヤーが来日し、知事と面会するのは2019年2月以来のことです。
【金融ラウンドテーブル参加者(敬称略)】
英国 | シティ・オブ・ロンドン ロード・メイヤー | ヴィンセント・キーヴェニー |
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駐日英国大使館 公使参事官 ※駐日英国大使の代理出席 | スー・キノシタ | |
英国投資協会 副最高経営責任者 | ジャック・ナイト | |
日本 | 東京都知事 | 小池百合子 |
一般社団法人東京国際金融機構 会長 | 中曽宏 | |
株式会社三菱UFJ銀行 特別顧問 | 平野信行 | |
東京都副知事 | 宮坂学 | |
東京都チーフ国際金融フェロー | 山岡浩巳【モデレータ】 |
知事は、今回の参加者の皆様への歓迎の言葉に続いて、「深刻化する危機を乗り越え、持続可能な成長を実現するサステナブル・リカバリーの鍵を握るのが金融である」との認識を示し、その上で、都が、グリーンファイナンス発展に向けた戦略的な取組「Tokyo Green Finance Initiative(TGFI)」を強力に推進していることを紹介しました。
キーヴェニー氏は、シティは東京と同じ価値観を共有しているとした上で、シティが、将来を見据えながらグリーンなインフラへの投資によってSDGsを推進してきたことなどを紹介しました。
キノシタ氏は、「今、日本とイギリスが共通で直面する課題は気候変動である」とした上で、2050年のゼロエミッションの達成に向けてTGFIは非常に重要であるとの認識を示しました。
また、ナイト氏からは、ロンドンには優れた金融サービスのエコシステム、多様な人材のつながりがあり、「よりクリーンでよりグリーンな未来への投資」が進められているという話がありました。
日本側から参加した中曽氏は、東京は今、直面する様々な課題に対応してアジア・太平洋地域が持続可能な成長を続けていけるようにするための都市、金融センターを目指しているとコメントをしました。
また、平野氏は、NZBAという国際的な金融機関の連合体によるCO2排出ネットゼロに向けた取組、CO2の排出量の算出・数値化など非財務的な取組による脱炭素化の取組、さらには、アジアにおける持続可能な金融市場の構築やルール作りなどについての取組などを紹介しました。
宮坂副知事は、直面する課題を解決するにはイノベーションが重要であり、それを巻き起こすアントレプレナー(起業家)のアイディアや情熱を加速させるのがファイナンスの力である、とした上で、海外のアントレプレナーやスタートアップ企業がストレスなく東京に来て事業をできるような環境づくりを進めている、と紹介しました。
ラウンドテーブルは、その後、非公開での意見交換に移りました。その中では、どのようにして東京とシティが連携してサステナブル・ファイナンスを活性化し、金融の力で脱炭素化を実現させていくのかなどについて、具体的な取組事例を紹介しながら活発な議論が交わされました。
今回のラウンドテーブルのモデレータの山岡氏からは、ラウンドテーブルを通じた総括として、二つの都市の絆の強さが確認されるとともに、両都市のパートナーシップを通じて脱炭素化やサステナビリティなどの課題が解決されていくだろうというコメントがありました。