英国ロード・メイヤーと知事とのラウンドテーブル

画像:英国ロード・メイヤーと知事とのラウンドテーブル1

2023年6月12日、英国シティ・オブ・ロンドンの第694代ロード・メイヤー、ニコラス・ライオンズ氏をはじめとする英国関係者が来庁し、知事や日本の金融界を代表する方々と、「東京市場の魅力や金融系外国企業の東京進出」をテーマにラウンドテーブルを行いました。

知事とロード・メイヤーの意見交換は、2023年2月の知事訪英時の面会に続いて、この6月にはロード・メイヤーに東京にお越しいただいて行うことができ、両都市の首長の対面での交流を通じて、連携が深まっていることを確認しました。

画像:ラウンドテーブル参加者(敬称略)
画像:英国ロード・メイヤーと知事とのラウンドテーブル2
前列左から順に、ロード・メイヤー、小池都知事、ゴフ氏
後列左から順に、山岡氏、ナイト氏、中曽氏、平野氏、吉村氏

参加者の方々からは、それぞれ次のようなご発言をいただきました。

■小池都知事
ロード・メイヤーをはじめとする参加者の皆様への歓迎の言葉に続いて、「世界の政治・経済情勢が大きく変動する中で、国際金融センターであるシティ・オブ・ロンドンと東京の果たすべき役割はとても大きく、両都市が連携していくことの重要性は高い」との認識を示しました。また、金融系外国企業の東京進出を推進するために、人口やGDP、世界的・多国籍企業の集積、成熟した都市インフラや確固たる法の支配といった、東京のポテンシャルについて紹介されました。最後に、SusHi Tech Tokyoへの英国企業の参加への期待を示されました。

■ロード・メイヤー
ラウンドテーブルの開催に関して東京都に対する感謝の言葉があった後、シティ・オブ・ロンドンとその首長であるロード・メイヤーの役割について紹介がありました。また、日本・英国の国家間、さらに東京都とシティの都市間におけるこれまでの連携・交流の実績についての言及があり、MoUに基づいて、両都市のパートナーシップをより強固にしたいとの見解を示されました。

■ゴフ氏
駐日英国大使館で公使参事官兼貿易投資ディレクターを務めるダレン・ゴフ氏からも、日英間の強固なパートナーシップについての言及がありました。英国の最近の重要なトピックとして、「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定」(CPTPP)について紹介されました。

■ナイト氏
英国投資協会のジャック・ナイト副CEOからは、知事が紹介したSusHi Tech Tokyoに触れながら、「東京が投資管理や運用管理の能力を高めて国際金融都市となることを後押しし、さらには在英金融系企業のビジネスをさらに活性化していきたい」との発言がありました。

■中曽氏
金融プロモーション組織、FinCity.Tokyoの中曽会長からは、「金融系外国企業や高度金融人材に東京に来ていただくことと同じく、アジア地域への貢献も観点に入れながら東京の金融の機能を向上させていくことも重要」との発言がありました。そして、アジア共通の課題として脱炭素化が最も重要で、その取組推進には、「国際的に相互運用可能な排出量取引市場の強化」「トランジションファイナンスの活性化」「サプライチェーン・ファイナンスのアップグレード」の3点が必要であり、こうした取組においても、東京とシティの協力・連携が有効であるとの意見が述べられました。

■平野氏
三菱UFJ銀行の平野特別顧問は、地政学リスク等を背景にグローバル・サプライチェーンの再構築が進む中、「世界における日本の位置づけが見直され、日本経済が再び動き出しつつある」と発言されました。また、好調な企業収益が、株価上昇や国内投資拡大、大幅な賃上げに繋がっている点を挙げ、「国際金融都市としての東京の潜在力は大きい」との認識を示されました。

■吉村氏
東京都スタートアップ・国際金融都市戦略室の吉村室長は、今年4月に新設された組織を紹介しました。国際金融都市とスタートアップの施策を一体的かつグローバルに進め、イノベーティブな東京を創ることを伝えました。

そして、モデレーターの山岡氏からは、ラウンドテーブルを通じた総括として、二つの都市の絆の強さが確認されるとともに、国際金融センターとしての両都市のパートナーシップを通じて、持続可能性など様々な地球的課題の解決につながっていくことを期待するというコメントをいただきました。

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